”楽では無いけど楽しい”ということ

"楽(らく)"と"楽しい"
字は同じだが意味が同じとは限らない。

"楽では無いけど楽しい"
私たちの仕事は正にこの通りだと思う。

”造園業は楽な仕事”ではない

夏場の作業を想像してほしい。

気温35度を超えた日でも、現場にいる。

汗は止まらないし、腕は上がりっぱなし。
高い木の上でバランスを取ったり、スコップで穴を掘ったりしている。
その暑さの中で、自分で考え、動き、判断して、結果を出さなくてはならない。

これが"楽か"と聞かれたら、楽ではない。
でも、"嫌いか"と聞かれたら、そうでもない。

”楽しい=快適”ではない

私はこの仕事を長くやってきて、ひとつ気づいたことがある。
"楽しいという感覚は、快適さとは別のところから来る”ということだ。

快適というのは、負荷がない状態のことだと思う。
快適な部屋、体が疲れない仕事、ストレスのない人間関係。

それはそれで良い職場だと思う。

でも、植木屋の楽しさはそこじゃない。

真夏の炎天下で、重い物を運んで、お互いに良い物を造ろうとする思いから言い争いになることもある。
それでも、不思議と満たされる感覚がある。

これを”達成感”という言葉で片付けるのは、少し違う気がしている。
達成感というのはゴールに着いた後に来る話だ。

私が言いたいのは、その途中にある感覚のこと。

しんどい中で、自分の手と判断だけで何かを形にしていく、この過程そのものが植木屋の面白さなんだと思う。

”楽=楽しい”では続かない

造園業は、”楽に稼ぎたい”という動機では続かない。

体力的にきつい、天候に左右される、技術の習得に時間がかかる。
最初の数年は、できないことの方が多い。

それでも続く人はいる。

辞めていく人と残る人の違いを長年見てきて、私なりの結論がある。
残る人は”楽=楽しい”と思っていない人だ。
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”楽しい”を探し続ける

ここで少し個人的な話をする。

私はこの仕事が”好きか”と聞かれたら”好きだ”と答える。
でも、最初からそうだったわけじゃない。

きつい時期もあった。
やめようと思ったことも、正直ある。

それでも続けてきた理由を振り返ると、”楽になるまで頑張った”というより、”楽じゃない中にある面白さを探した”という感覚の方が近い。

技術や知識への探求心。
経験したことが無い作業や自分が持っていない道具へのあこがれ。
思い通りにいかないからこその面白さ。

植木屋という仕事の楽しさとは、そう言うことなのかも知れない。

毎日違う現場で、毎日違う判断を迫られる。
有るのか無いのか解らない様な正解を、自分なりに求め続ける。

それが楽かと聞かれれば、決して楽ではない。
それが楽しいか聞かれれば、私は楽しいと答える。

 

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