”自分に合う道を探す”ということ

造園業を始めるにあたって先ず考えなくてはならないのが"どんな会社で働くのか"ということです。

造園会社は会社の規模や方向性よって様々な特色があります。
大手の会社はある程度似たような傾向にあるのですが、中小企業、特に小の分類に入る会社は特徴が出やすいです。

自分に合った会社を見つけることも、この仕事を長く続ける為には必要な事だと思います。
それにはどんな会社が有るのかを知ることも必要なのです。

直営と監督

先ず最初に"直営会社""監督会社"について説明します。

直営会社とは"自社の職人が直接施工する"会社のことを言います。
逆に監督会社とは"自分達は監督業務をし、施工は協力会社(下請会社)が行う"会社のことを言います。

この2つの一番大きな違いは、施工をするのが"自社の職人か協力会社か"という所です。

監督業務の有無に関しては自分たちが元請やゼネコンからの一次請であれば直営会社も行わなくてはなりません。
ただし施工に関しては監督会社は基本行いません。
なので職人として実際に作業を覚えたい場合は直営会社に入ることをお勧めします。

公共と民間

造園業の仕事の区分として”公共工事””民間工事”があります。

公共工事とは発注者が国・県・市町村などの自治体となります。
逆に民間工事とは発注者が民間企業となります。
ちなみに発注者が個人顧客の仕事も民間工事に分類されます。

公共工事と民間工事の主な作業場所の違いは以下の通りです。
・公共工事
 街路樹や公園
 国や各自治体の庁舎や国や自治体管理の建物(図書館、スポーツ施設etc.)
 公立学校や医療施設
 公営住宅 etc.
・民間工事
 工場
 物流センター
 商業施設
 私立学校や医療施設
 民間集合住宅
 個人邸 etc.
公共工事は地域社会への貢献度が高く、未払いなどの心配が無い代わりに書類作成や写真管理などの施工監理負担が重く、公園や街路樹の管理などは単調な作業の繰り返しとなるため植木屋的に”つまらない作業”と言われたりします。

民間工事は誰もが知っている有名な施設の仕事があったり、剪定方法や造園設計に自分の色を出したりできる反面、景気によって仕事量が左右されたりします。

工事と管理

造園業の仕事の内容は大きく分けると二つになります。

木を植えたり石を並べたりして庭や緑地を作る”工事”とその作った庭や緑地を綺麗に保つ”管理”です。

工事は何も無い所に新たに景色を作ったり、自分の考えた庭が形になったりするという達成感を得られる反面、穴を掘ったり重いものを運んだりと肉体的負担が多かったりします。

管理は工事に比べて肉体的負担は少ないですが、仕事が単調になりやすい傾向があります。
とは言え、荒れた庭を綺麗にしていく過程では職人の技量が求められたりもします。

会社ごとの特徴

最初にお話した通り、会社の規模によって特徴が出やすいのが造園業です。
会社の規模に応じた特徴は以下のようになります。
・大手の会社の特徴
大手の会社は基本的に”監督会社”です。
自分たちは現場の施工管理に全力を注ぎ、協力会社と連携を取り現場を進めていきます。

仕事の区分としては公共、民間とも受注し、公共であれば国や県の仕事、民間であれば大手ゼネコンの仕事など大規模なものが大半を占めます。

工事と管理の割合も比較的にバランスが取れていたりしますが、一つの案件が数ヵ月〜数年と長期になる傾向があります。

先ほど”大手=監督会社”と言いましたが作業員がまったくいないわけではありません。
しかし基本が監督業となるため施工管理者としての力を発揮しなくては大手での出世は難しいと言えます。

また、個人顧客の仕事にもあまり力を入れていないので職人として勝負したい人にはあまり向いていないかもしれません。

それに”社員が多い=ライバルが多い”ということになるので競争社会を勝ち抜いていかないといけません。
会社が大きければ大きいほど自分の考えが採用されにくい等のデメリットもあります。

ただ、会社の基盤は安定しているというメリットもあるので、大規模な案件の現場監督として勝負したい人には向いていると思います。
・中小会社の特徴
ここからが造園業の面白い所で、中小の特に小の規模になる会社ほど各々の経営者の考え方で特徴が現れやすかったりします。
例として、仕事の9割以上が管理作業とか、個人顧客専門とか、仕事の8割が公共工事だったりとか。

また、小規模の会社では"職人→施工管理者"というルートが一般的で、施工管理者も職人達と一緒に作業をするので職人としての腕も磨けます。

大手に比べて会社の基盤が不安定な所はありますが、社員も少なめで競争もあまり激しくなく、自分の意見がそのまま会社の方針として反映されやすいというメリットがあります。

独立する場合も職人、施工管理共に学べる小企業の方がハードルが低い様に思います。
私個人の意見として言うのであれば、この小企業で働くことが造園業を楽しむ一番のコツなのではないかと思います。

ちなみに我社はと言うと

・民間工事100%(街路樹や公園管理はありません)
・工事・管理のバランスは半々(色々な技術を学べます)
・直営施工と協力会社施工の比率は7:3程度(職人としても施工管理者としても活躍できます)
・個人顧客にも注力(自分の設計した庭が形になります)

と、造園業を楽しみながら職人としても施工管理者としても学べる環境かと思います。
なぜなら社長の私自らが仕事を楽しみたいと思い、社員にも仕事を楽しんでもらいたいと思いながら方針を決めているからです。
この辺は大手に無い魅力だと思います。

道は自分で探すもの

この様に同じ造園業でも会社によって様々な特徴があります。
自分がどんな風に造園に関わりたいのかによって選ぶ会社も変わってきます。

職人として腕を磨きたいのに大手だからと監督会社に入ってしまったり、大規模工事の施工管理を経験したいのに街路樹管理や公園管理ばかりの直営会社に入ってもミスマッチになるだけです。

ただ、造園業は"職人→施工管理者"、"施工管理者→職人"と自分次第でいつでも変われる利点があります。
初めに決めた道が全てでは無いので、興味があったら先ずは"やってみる"と言うことが重要なのではないでしょうか。

何もせず嘆いているだけでは何も見つかりません。
自分で考え、動き、やってみる。
"自分に合った道を探す"とはそう言う事だと思います。

 

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