”鋏が職人を育てる”ということ|プロの庭師が教える鋏選びの初歩の初歩

植木屋の道具で一番最初に頭に浮かぶものと言えば鋏ではないだろうか?

我々植木屋は職人ごとにこだわりを持ってどんな鋏を使うか決めています。
鋏も1種類ではなく、仕事の内容や剪定する木によって使い分けたりします。

自分に合った鋏を使うことでどんな効果があるのか、私の鋏の選び方を含めて解説していきます。

大きさが手に馴染むこと

私は手のひらの大きさに比べて指が短いので小さめの鋏を好みます。

木鋏なら蕨手の小さい物、剪定鋏なら短めの物。
なので小さめの鋏や長めでもスリムな形の鋏を良く使う傾向があります。

手に馴染む大きさの鋏を使う利点として、刃先を器用に使えることが挙げられます。
特に木鋏は細かい枝に対して使うので重要です。

あと、落としづらい事も利点になります。
木の上にいる時に鋏を落とすと拾うために一度降りなくてはいけないので時間のロスになるだけでなく、鋏も傷むからです。

好みの大きさや持った時の感じは実際に持ってみないとわからないので、気になる鋏があったら実際に手に取ってみるといいと思います。

鋼の種類

植木屋が使う鋏の鋼は青紙か白紙が多いです。

各々の特性があり、職人さんによってやはり好みが分かれたりします。
以下、各鋼の簡単な特徴になります。

・青紙(青鋼)
白紙よりも鋼自体の硬度が高く粘り強さを持っています。
耐摩耗性に優れ、切れ味が長持ちします。
鋼が白紙に比べ硬いので刃が欠けづらいのも青紙の特徴です。

・白紙
鋼の純度が非常に高く、刃が研ぎやすく抜群の切れ味を発揮します。
摩耗しやすく、青紙に比べると切れ味の持続性に関しては多少劣ります
鋼が青紙に比べて柔らかいので刃が欠けやすいですが、切れ味の鋭さを常に保ちたい方には適しています。

見た目

私は見た目にも惹かれたりします。

見た目が気に入っていれば使っているだけでモチベーションが上がります
さらに気に入った鋏は大切に扱おうと言う気持ちにもなりますので手入れも行き届きます。

本来は、どれも自分の道具なので気に入っている・気に入っていないに関わらず大切にしなくてはいけないのですが、そこはやはり人間。
気に入っている道具はついつい贔屓してしまいます。

共存共栄

鋏は植木屋の仕事の中で、一番使う回数の多い道具になります。
良い物を買えば一生とは言いませんが(付け鋼が無くなったら切れなくなるので)、何年も自分の相棒として活躍してくれます。

もちろん良い鋏を持ったからと言って剪定が上手くなる訳ではありません

しかし、良い鋏を持って、それに見合う職人を目指して励むというのも一つのモチベーションの保ち方ではないでしょうか。

昔は我々植木屋が鋏職人に”もっとこうしてくれ”と注文を付けることで”鋏職人の技術が上がる”なんてことも言われてたみたいですが、そうして作られた素晴らしい鋏を使うことで我々植木屋もそれに見合った技術を求め腕が磨かれていくのだと思います。

植木屋と鋏はまさに”共存共栄”な関係なのです。

 

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